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長谷川テル訪問記念の碑除幕式

“日中不再戦の誓い”を新たに 2023年4月30日 般若寺境内で

「1932年4月30日、学友と古刹般若寺境内を訪問し、抑圧的・閉塞的な社会のありようと闘おうと誓いあった。」と記された、「長谷川テル訪問記念の碑」が、2023年4月30日に除幕されました。
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 長谷川テルの長女・長谷川暁子氏ら150名が参加されるなかで、工藤良任
般若寺住職、宮城恭子奈良・長谷川テル顕彰の会会長ら各界の代表12名に
よって除幕されました。 

​ 続いて、奈良蟻の会合唱団が合唱曲「希望の鳩 ヴェルダ・マーヨ-長谷川

テルの歌」を合唱、主催者を代表して宮城恭子奈良・長谷川テル顕彰の会会長

が挨拶を述べ、工藤良任般若寺住職、「碑」制作者の坂口紀代美氏、長谷川テ

ルの長女・長谷川暁子氏らが祝辞をのべました。

 この日、除幕式のあと、奈良市内のホテルリガーレ春日野に移動し、「長谷

川テル顕彰事業全国集会」(71名参加)、「懇親会」(50名参加)が開か

れました。

 「碑」には、長谷川テルが戦火の中国で、日本兵士に対して「私は仲間たち

とともに、ありったけの声で日本の兄弟たちに呼びかける。誤って血を流して

はならない。あなた方の敵は、海を越えたこちらの側にはいないのだ」とラジ

オで繰り返し訴え続けたことを記した、日本語、エスペラント、中国語の説明

板が添えられています。

​ この「碑」は、制作者である彫刻家・坂口紀代美氏により「山吹燃ゆる」と

命名されました。

 

国際的な共感、共同の広がり

 除幕式へは、長谷川テルが夫・劉仁と眠る中国黒竜江省の佳木斯市人民政府

市長王鉄氏から「私たちは長谷川テル女史の遺志を受け継いで、中日民間友好

の前進のために惜しみなく努力を重ねていこうではありませんか。」と述べら

れたメッセージが寄せられました。

 また、ビザの発給、航空便の都合で除幕式には間に合いませんでしたが、中

国重慶からエスペランティト・趙徳智氏ら一行3名が30日夜8時過ぎにホテ

ルに到着、参加者の歓迎を受け、翌日は般若寺を訪問するなど充実した交流が

実現しました。

 さらにレナート・コルセッティ世界エスペラント協会元会長からもメッセー

ジがよせられるなど、長谷川テルの顕彰事業への共感と共同の広がりもあり、

新たな発展の跳躍台にもなりました。

 

長谷川テル顕彰事業の新たな発展をめざします

 わが国では、戦後長谷川テルは、エスペラント協会、日中友好協会、奈良女

子大学卒業生有志らによって顕彰されてきました。そして、今回の私たちの

「碑」建立の取り組みは、これまで全国各地で取り組まれてきた長谷川テル顕

彰事業を掘り起こし、協力の輪を広げる重要な契機となっています。

 奈良・長谷川テル顕彰の会は2017年5月25日に、「治安維持法犠牲者・長谷川テル顕彰会(仮称)の奈良県準備会」として出発しました。長谷川テルが治安維持法で弾圧され、奈良女子高等師範学校から退学させられた舞台となった

奈良県ならではのとりくみとして「般若寺境内に記念碑と説明板を設置する」ことなどを掲げて顕彰事業をすすめてきま

した。この課題が達成された段階で、大阪・長谷川テル顕彰の会が中心となって昨年発足した長谷川テル研究会が進める『長谷川テル著作集』編纂・刊行事業を成し遂げる全国的な支援を組織することが重要になっています。

 また、「碑」除幕式を機に、除幕式参加者から「小学生高学年、中学生向きの本」の構想や、漫画化や映画化、「ヴェルダ・マーヨ通信」に文芸欄の設置などが提案されています。

 奈良・長谷川テル顕彰の会は、この秋に第4回総会を開き、除幕式を機に提案された構想の検討を含め、全国各地で進められる長谷川テルの顕彰活動と協力・共同して調査・研究をすすめ顕彰事業の新たな発展をめざします。同時に、長谷川テルが活躍した中国、夫劉仁と眠る中国のエスペランティスト(協会)との共同の取組とあわせ、世界のエスペランティスト(協会)と連携して、国際的な取り組みをすすめる構想を練り上げ新たな発展を期したいと考えています。

 

奈良・長谷川テル顕彰の会 

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